5月17日(土) 父母学級(虹・星・月・空組)
5月17日(土)午前11時より、虹組・星組・月組・空組保護者対象の父母学級が行われ
ました。今回は、躾や生活習慣についての講話会「甘えさせることで育つ5つの力」と、
認可保育園と認可外保育園についての話がありました。
厳しくしないと子どもの自立心が育たないのでは?と思うかもしれませんが、そうでは
ありません。親に充分甘えられた子どもほど、心が強くなり、自分の頭で判断し、行動
できる人間に育ちます。
1 自己肯定感 ~思春期まではたっぷり甘えさせましょう
へこたれない強い心を育むカギは、「自分は価値のある人間だ」という自己肯定感
です。これは親に充分甘えられ「愛されている」という実感が持ててこそ育まれるも
の。男女ともに、思春期までは充分に甘えさせることが大事です。特に幼児期の男の
子は、女の子に比べて脳(主に左脳)の発達が遅いため、環境ストレスに弱く病気に
もなりやすいなど、とてもナイーブです。「男の子なのに、めそめそ泣いてばかりい
ないの!」と突き放すことなく、優しく包み込むようにしてください。
2 挑戦する力 ~楽しい記憶が才能を伸ばしていきます
親に甘え楽しくワクワクした気持ちになると、大脳辺縁系の中にある扁桃体(「好
き嫌い」を感じる部分)から前頭前野(ワーキングメモリ)に情報伝達物質が送られ、
海馬(記憶の貯蔵庫)が活性化し、「楽しい」という情報が蓄えられます。それによ
り、楽しくてワクワクすることには、どんどん挑戦したくなり、才能が伸びていくの
です。これぞまさに「好きこそものの上手なれ」。挑戦する力は、甘えさせることで
身についていくとも言えるのです。
3 コミュニケーション力 ~相手の立場に立って考えられるようになります
乳幼児期は「ひとつのことに注意を向けていると、他のことは見えなくなる」とい
う特性があります。例えば、お友達のおもちゃを見て自分が遊びたいと思ったら、お
友達から取り上げてしまうのでケンカになります。こうしたケンカも含む、さまざま
な経験を通して、子どもは他者の存在に気付き、付き合い方を学んでいくのですが、
甘えを充分に受け止めてもらった子どもは、他者と関わる力も育っていきます。自分
の気持ちを理解し応えてもらう経験を重ねていると、他者の気持ちにも敏感に気付き、
相手の立場に立って考えられるようになるからです。
4 語彙力 ~コミュニケーションに言葉は不可欠です
親子のふれあいを大切にして、一緒に遊んだり旅行に出かけたりと楽しい経験を共
にする「共有型」の育て方をされた子どもは、あれもダメ、これもダメと厳しく規制
されるなど親が一方的に支持する「強制型」の育て方をされた子どもに比べ、語彙力
が高く、国語の成績が良いという研究データがあるそうです。コミュニケーション能
力を育てるには、語彙力は欠かせません。親子で一緒に楽しい時間を過ごし、たっぷ
りと甘えさせていれば、語彙力だけでなく、人との関わる力も自然と身につけること
ができます。
5 自分で考える力 ~失敗しても大丈夫、と思えることが自主性を生みます
親の考えを押し付けたり、先回りしてあれこれ世話を焼くような関わり方をしてい
ると、いつまでも親の顔色をうかがい、親の指示がなければ行動できない子どもにな
ってしまします。一方子どもの気持ちに寄り添い、子どもに合わせた柔軟なサポート
をしていると、子どもは自分の頭で考え、判断して、行動するようになります。たと
え失敗したとしても、お母さんがいるから大丈夫、という安心感があるので、子ども
は主体性を持って自分の意思で行動できるようになるのです。
「甘えさせる」というと、甘やかすことにならないか、子どもの自立を妨げるのではな
いか、などネガティブなイメージを持たれがちです。しかし、実際にはその逆。子ども
に充分甘えさせて「健康で安心・安全な環境」をつくることが、幼児期における親の役
割です。特に5歳くらいまでは脳が劇的に変化し、子どもの心は激しく揺れ動きます。
そうした中、子どもが自分の頭で考え、行動できるようになるには、お母さんとの間に
信頼関係が築けているかがとても重要です。親としては、わが子を心配するあまりに、
先回りをして生き字引のように答えを与えたり、あるいは厳しくしつけたくなるかもし
れません。でも、子どもの健やかな育ちには、子どもを信じて見守り、愛情を持って、
たっぷり甘えさせる時間が不可欠なのです。親は、揺れ動く子どもの心の声をしっかり
聞き、受け止め、その子自身の進歩や成長を認めること。禁止や命令ではなく、
●ほめる
●はげます
●(視野を)ひろげる
という「3H」の言葉をかけながら、子どもが成長するための足場をつくるようなつも
りで、見守っていきましょう。
✿ 甘えさせ上手なお母さんになる3つの心得
1)禁止や命令の言葉を使わない
2)子どもの心の声を聴き、つまずきを見抜いてサポートする
3)伸びていくための「足場づくり」を意識する